ご 挨 拶
 私どもは、大正期曽祖父の代より神戸におきまして輸出入に携わってまいりました。でもこのごろは為替の変動の大きさや、商品寿命の短さなどにより貿易業務もむつかしい時代になりました。しかし、貿易とは、さらに広く交易とは、必要なものを必要とする人のもとへ運ぶことで、至極当然にして不可欠の営為であります。などと堅いことを言っておりますが、要するにいい物をさがして、見つけて、販売するのを目的として私どもは新たに当社を設立いたしました。


 現代においては、ともすると品質を犠牲にしてまで、安さを追求するか、あるいはブランド名にこだわるあまり、適正価格を遥かに上回る商品を販売するなどということがおこりがちです。えらそうなことを言ってしまいました。
でも、ひろくアジアに目を向ければ、安い人件費と豊富な資源があるのは周知のこと。そこでさらにお考えください。日本をはじめアジアには奥深い手工業の伝統があります。そして、アジアの密林にひっそりと息づくもの、それはヨーロッパ人が命をかけて求めた香料?それとも正倉院に深く秘されて信長が渇望したあの香木?遥か昔、イスラムの商人たちは西から三角帆の船でインドシナ、マレー半島までやってきました。中国商人たちも北からジャンクでやってきました。日本人も朱印船でやってきました。大航海時代ヨーロッパ人も来ました。シンドバット、ルソン助左衛門、ウイリアムアダムス、それからそれから、えっとだれかな。まっ、ともかく彼ら、風の勇者たちと現地の人々、地のライオンたち(どっちもかっこよすぎかな?)の交流が残した足跡こそがアジアの伝統でしょう。


ロマンは尽きないけれど、でも採りすぎて資源を枯らしちゃ何もかもおしまいですよね。日本以外のアジア国々の多くは、不幸ながら、植民地時代を経験しました。でも彼らは旧宗主国の下請けに甘んじつつもそのセンスと技術をも自分のものとしました。
アジアにはいいものがあります。
そんなことで、東南アジアを中心として、まだまだ隠れている海外の素敵な物産を掘り起こして皆様にお届けするのが、私どものお仕事と心得ております。原料を買い付けて大量に資源を消費するのでなく、なるだけ現地の伝統に従ってつくられた完成品を輸入しようと心がけています。
以上をもってご挨拶と致したいと存じます。
至りませんが宜しくお引き立てのほどを。
有限会社 青洋交易
 取締役社長 竹田龍二